○恩納村男女共同参画推進条例

平成30年3月23日

条例第11号

個人の尊重と法の下の平等は、日本国憲法の崇高な理念であり、男女は、すべて人として平等であって、個人として尊重されなければならない。

しかしながら、社会のあらゆる分野における性別による固定的な役割分担意識やこれに基づく社会通念、慣習、しきたり等が依然として存在しており、真の男女平等の達成には、なお多くの課題が残されている。一方、急速に進む少子高齢化、国際化、社会情勢の急激な変化への対応も求められている。

こうした状況の中で、少子高齢化や国際化など社会経済情勢の急激な進展に対応し、豊かで活力ある恩納村を築くためには、本村の地域性等にも配慮しつつ男女が性別にかかわりなくその個性と能力を十分に発揮し、お互いの人権を尊重し、喜びと責任を分かち合いながら多様な生き方を選択することができる社会の実現を図る必要がある。

ここに、私たち恩納村民は、互いに恩(思いやりの心)を忘れることなく、一人ひとりの個性が輝くむら、みんなが主役の男女共同参画社会を創るため、村、村民が一体となって、男女共同参画の推進に取り組むことを決意し、この条例を制定します。

(目的)

第1条 この条例は、男女共同参画の推進に関し、基本理念を定め、並びに村、村民及び事業者の責務を明らかにするとともに、男女共同参画の推進に関する施策の基本となる事項を定めることにより、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 男女共同参画 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、社会的、経済的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うことをいう。

(2) 積極的改善措置 前号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するため必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう。

(3) セクシュアル・ハラスメント 他の者に対し、その意に反した性的な言動(以下この号において「性的な言動」という。)により当該者の就業環境その他の生活環境を害すること又は性的な言動を受けた者の対応により当該者に不利益を与えることをいう。

(4) 村民 村内に居住する者、村内で働く者、村内で学ぶ者及び村内で活動する者をいう。

(5) 事業者 営利又は非営利を問わず、村内において事業活動を行う法人その他の団体及び個人をいう。

(基本理念)

第3条 男女共同参画の推進は、男女の個人としての尊厳が重んぜられること、男女が性別による差別的取扱いを受けないこと、男女が個人として能力を発揮する機会が確保されることその他の男女の人権が尊重されることを旨として、行われなければならない。

2 男女共同参画の推進にあたっては、社会における制度又は慣行が、性別による固定的な役割分担等を反映して、男女の社会における活動の選択に対して中立でない影響を及ぼすことにより、男女共同参画の推進を阻害する要因となるおそれがあることに考慮し、社会における制度又は慣行が男女の社会における活動の選択に対して及ぼす影響をできる限り中立なものとするように配慮されなければならない。

3 男女共同参画の推進は、男女が社会の対等な構成員として、村における政策又は民間の団体における方針の立案及び決定に共同して参画する機会が確保されることを旨として、行われなければならない。

4 男女共同参画の推進は、家族を構成する男女が、相互の協力と社会の支援の下に、子の養育、家族の介護その他の家庭生活における活動について家族の一員としての役割を円滑に果たし、かつ、当該活動以外の活動を行うことができるようにすることを旨として、行われなければならない。

5 男女共同参画の推進は、男女が互いの性を理解し合い、生涯にわたる妊娠、出産その他の性及び生殖に関する事項に関し、自らの決定が尊重されること及び健康な生活を営むことについて配慮されることを旨として、行われなければならない。

6 男女共同参画の推進は、国際社会における取組と密接な関係を有していることを考慮し、国際的協調の下に行われなければならない。

(村の責務)

第4条 村は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、男女共同参画の推進に関する施策(積極的改善措置を含む。以下同じ。)を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。

2 村は、男女共同参画の推進に関する施策の実施にあたっては、村、村民及び事業者と共同して取り組むよう努めなければならない。

(村民の責務)

第5条 村民は、基本理念にのっとり、家庭、職場、学校、地域その他の社会のあらゆる分野において、男女共同参画の推進に寄与するよう努めるとともに、村が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動に関し、男女共同参画の推進に寄与するよう努めるとともに、村が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

2 事業者は、その雇用する男女について、雇用上の均等な機会及び待遇を確保するとともに、職業生活における活動と家庭及び地域生活における活動とを両立して行うことができる職場環境を整備するよう努めるものとする。

(男女の人権侵害の禁止)

第7条 何人も、職場、学校、地域、家庭その他の社会のあらゆる分野において、性別による差別的取扱い、セクシュアル・ハラスメント、男女間の暴力的行為(身体的又は著しい精神的な苦痛を与える行為をいう。)その他の行為により男女の人権を侵害してはならない。

(公衆に表示する情報に関する配慮)

第8条 何人も、公衆に表示する情報において、性別による固定的な役割分担、性別による差別、セクシュアル・ハラスメント、男女間における暴力等を正当化し、若しくは助長するような表現又は過度の性的な表現を行わないよう配慮しなければならない。

(男女共同参画行動計画の策定)

第9条 村長は、男女共同参画推進施策の総合的かつ計画的な実施を図るため、男女共同参画の推進に関する施策について次の各号に掲げる基本的な計画(以下「男女共同参画行動計画」という。)について定めるものとする。

(1) 男女共同参画の推進に関する総合的かつ長期的な基本方向及び目標

(2) 前号に定める事項に基づき実施すべき具体的な男女共同参画の推進に関する施策

(3) 前2号に掲げるもののほか、男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に実施するために必要な事項

2 村長は、恩納村男女共同参画行動計画を定めるにあたっては、恩納村男女共同参画行動計画審議会の意見を聴かなければならない。

3 前項の規定は、恩納村男女共同参画計画の変更について準用する。

(施策の策定等にあたっての配慮)

第10条 村は、男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するにあたっては、男女共同参画の推進に配慮しなければならない。

(基本理念の普及啓発)

第11条 村は、基本理念に対する村民及び事業者の理解を深めるため、必要な広報活動の実施及び普及啓発に努めるものとする。

2 村は、学校教育をはじめとするあらゆる分野の教育を通じて、男女共同参画の推進に努めるものとする。

(調査研究)

第12条 村は、男女共同参画の推進に関する施策の策定に必要な調査研究を行うよう努めるものとする。

第13条 村長は、男女共同参画の推進のために必要があると認められる場合は、事業者に対して、雇用その他の事業活動における男女共同参画の実態を把握するための調査を行うものとする。

(村民等の理解を深めるための措置)

第14条 村は、村民及び民間の団体が行う男女共同参画の推進のための活動を支援するため、交流の機会の提供、情報の提供、相談その他の必要な措置を講ずるものとする。

(男女間の暴力の防止)

第15条 村は、配偶者間その他の男女間の暴力を防止するため、啓発、相談、被害者に対する支援その他の必要な措置を講ずるものとする。

(苦情等の相談)

第16条 村長は、男女共同参画の推進に関し、村民又は事業者から、苦情又は申出があった場合は、相談に応じるものとする。

(男女共同参画の状況等の公表)

第17条 村長は、毎年度、男女共同参画の状況及び男女共同参画の推進に関する施策の実施状況について、公表しなければならない。

(規則への委任)

第18条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、公布の日から施行する。

恩納村男女共同参画推進条例

平成30年3月23日 条例第11号

(平成30年3月23日施行)